「東京メトロ銀座駅デザインコンペ」 最優秀賞 吉岡あずさ氏(株式会社アトリエ・ジーアンドビー)の「新・銀座駅 対比と重層」より

東京メトロが現在進めている銀座線全駅のリニューアルプロジェクトの一環として駅デザインコンペの第3弾となる「東京メトロ銀座駅デザインコンペ」 の結果が2015年6月18日に発表されました。リニューアルで最優秀賞に選ばれた作品案のコンセプトが採用されれば、銀座駅はレモンイエローの光に包まれることになりそうです。

 

地下鉄銀座線の中核であり、また東京という都市においてもひとつのシンボルである「銀座駅」のデザインコンペは、地域との連携を重視し、地下にいながら地上を感じることができる「銀座のまちの地下1階」」というテーマで募集を行いました。登録件数726件、作品件数182件と、いずれも過去最高の応募作品の中から、審査委員会の厳正なる審査の結果、16組の入賞者が決定。吉岡あずさ氏(株式会社アトリエ・ジーアンドビー)の「新・銀座駅 対比と重層」が最優秀賞を受賞しました。

 

最優秀賞に選ばれた吉岡氏のリニューアル案では、銀座線車両のレモンイエローをテーマカラーに設定し、駅入口、プラットフォームのカラーガラスや改札付近の照明で表現されています。デジタルサイネージ、ガラス、アクリルなど現代的なツールを、門形、格子、文様、木目、和紙といった伝統的な要素に”対比”させながら”重層”的に組み合わせているのが特徴。銀座を訪れた人々を、明るくやわらかなレモンイエローの光で駅に導き、包み込むコンセプトです。

 

東京メトロ銀座線は1927年に開業した日本ではじめての地下鉄。2017年の開業90周年、2020年の「東京オリンピック・パラリンピック」を見据え、銀座線(浅草〜渋谷)の全駅についてリニューアルを進めています。

 

銀座線の現在の車両や案内版に使用されるラインカラーはオレンジですが、開業時には現在よりうすいレモンイエローで、黄色い電車として親しまれました。2012年から開業時のレモンイエローの塗装を復刻したカラーラッピングで包まれた1000系車両を導入し、すべての車両への置き換えをすすめてきた地下鉄銀座線。コンペで最優秀賞に輝いた吉岡氏のリニューアル案は、路線を象徴する駅である銀座駅に、路線のテーマカラーであるレモンイエローを使ったものなのです。

 

東京メトロは今後、コンペ最優秀賞作品をはじめ、入賞作品の提案を活かしながら銀座駅のリニューアルを進める予定。2020年の完成を目指すという新しい銀座駅、たのしみです。

 

文:須賀喬巳

 

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