ドイツのベルリンで開催されたIFA 2015に出展していた「The Connected Lighting Alliance」のブース

スマートフォンで明るさや色をコントロールできるスマートライトが人気を集めていますが、最近話題のIoTへの注目が高まるにつれて、単体で使うだけでなく、スマートハウスとの連動機能を持たせた製品が増えています。
 
これまで家電メーカーは、スマートライト市場の普及に力を入れるため、扱えるアプリの仕様やコントロールするソフトウェアの規格を統一する「The Connected Lighting Alliance」のような組織を立ち上げてきました。アライアンスに加盟していれるメーカーの製品であれば、同じコントローラーで操作できたり、連動が簡単にできるようになるというわけで、フィリップスやGE、LGをはじめ、日本企業ではパナソニックが参加しています。
 

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カメラやアロマポッドと連動するなど個性的なスマートライトが増えている。

そうしたメーカー同士の連携が進む中でもう一つ注目を集めているのが、AppleがiPhone向けに開発しているHomeKitという規格です。HomeKitはiPhoneからBluetoothやWi-Fi、インターネットなどを通じて家電をコントロールするIoTのためのフレームワークで、デベロッパーに向けて提供されています。照明器具をはじめ、空調、鍵、調理器具などをiPhoneからコントロールできるだけでなく、つながったデバイス同士を連動させられるので、例えば、朝のアラームに合わせてベッドライトをゆっくり明るくして目覚めをうながしたあと、窓のロールスクリーンを自動で開き、さらに、外気に合わせて適切な温度で空調を動かす…といったことができるようになるわけです。
 
また、iPhoneの音声コントロールシステムのSiriを使えば「Hey Siri あと5分後に部屋の照明をつけておいて」といったこともできるようになります。Homekitに対応している家電は少しずつ増えていて、それがひとつの売りにもなりつつあります。
 

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面白いのは、その先につながる機器もスマート化に合わせてさらに進化していることです。照明に関して言えば、明るさや色の幅が拡がり、フィリップスをはじめとするメーカーから壁や床に沿って照明が設置できるリボン状のスマートライトなどユニークなカタチのもが登場するなどしています。他にもホームカメラを組み合わせたセキュリティ機能のあるスマートライトや、スピーカーやアロマポットなど、様々なものと連動するスマートライトも登場していて、照明機器単体としての個性も強まる傾向にあります。
 
ただ明るくするだけの照明から、機能と空間をデザインするあかりへ、スマートライトの進化はまだまだ続きそうです。

 
 

##関連リンク
The Connected Lighting Alliance
スマートライトの機能を統一し、安全に連携できる規格を開発する組織で、世界のトップメーカーが参加している。
 
Apple HomeKit
IoT時代に向けて、iPhoneから様々な家電製品をコントロールできるようにするためのフレームワークとしてAppleが無償で公開している。
 
フィリップス フレンズ オブ ヒュー ライトリボン applestore amazon
スマートライトの先駆けとして知られるHueの機能をリボン状にした製品で、壁や床など狭いところなどに使える。

 
 

text: 野々下 裕子