水資源が豊かな日本では、川は身近な自然。東京都内には、一級河川だけでも30本近くの川が流れています。しかし、都心で暮らす人々にとって、川の魅力を感じるシーンはあまり多くはないのではないでしょうか。2016年2月、東京都内では光によって川の魅力を再発見できるナイトイベントが相次いで開催されます。
 
市民や企業、そして行政が一体となって河川敷などの「水辺」の活用方法を探っている「ミズベリング・プロジェクト」では、ディスカッションやフィールドワーク、体験型のイベントなどを通して、水辺の魅力を発掘し、活性化のための活動を行っています。2月24日には橋脚を映像インスタレーションで照らす実験を行い、都心の水辺を人々が楽しめる場所に変えられるのか検証します。
 
実験の場所は、日本橋川沿いの大手町川端緑道。高速道路が架けられたことによって日が当たらなくなり、暗い印象をもたれるようになってしまった日本橋の周辺です。照射する映像インスタレーション作品は「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ」などに出品しているアーティスト・中村敬氏が「日本の四季」をテーマに制作したもの。参加者は夜の川辺に浮かび上がる幻想的なアートを楽しむことができるでしょう。
 

荒川ライトアップ

荒川ライトアップ

また、同じ週の2月27日には、荒川知水資料館が「荒川ライトアップ」を実施。岩淵水門と旧岩淵水門をライトアップするほか、河川敷に光のオブジェを設置します。災害対策の一環として催されるイベントですが、日頃、日没後に目にする暗い川とは異なる夜の荒川に親しむことができ、こちらも夜の川の魅力を再発見することができそうです。
 
あまり注目されることのなかった、東京の夜の川の魅力。イベントを機に、川が持つ新しい側面を発見できるかもしれません。
 
 
【ミズベリング・プロジェクト 映像照射実験概要】
開催日時:2016年2月24日(水) 17:00~18:00

集合場所にて16:30受付開始、小雨決行

開催場所:大手町川端緑道(東京都千代田区大手町1-9-5,地先)

集合場所:大手町フィナンシャルシティ1F アトリウム
開催内容:クロストーク、首都高への映像照射実験

主催  :ミズベリング・プロジェクト事務局、一般社団法人 大手町歩専道マネジメント、UR都市機構

共催  :国土交通省

協力  :首都高速道路株式会社

 
 
#関連リンク
ミズベリング・プロジェクト
日本の水辺をより活性化するために市民・企業・行政が一体となって活動している団体のWebサイト。活動内容などを知ることができます。
 
伊沢和紙を育てる
実験で使用する映像の作者・中村敬氏のブログ。過去の作品を見ることができます。
 
荒川下流河川事務所
「荒川ライトアップ」の詳細を知ることができます。2月27日はライトアップの前に荒川水門の見学ツアーも開催予定。見学ツアー内ではソーラーライトを組み立て荒川河川敷へ飾る体験イベントも実施されます。詳細はリンク先にてご確認ください。
 
 
(文:大川 祥子)