furenexoサイトより
soundsense2

KICKSTARTERより

 
ニューヨークのスタートアップ、Frenexo社が8月、Kickstarter資金調達を試みたSoundSenseという開発製品が、クラウドファンディングの目標金額を集めることに失敗してしまいました。

 

SoundSenseは、USBで充電する形式の小型デバイスで、マイクロフォン・バイブレーター・LEDが内蔵されています。

聴力に課題のある人のための製品で、大きな音がしたら振動とLEDの光で知らせてくれる仕掛け。

 

 

踏切の遮断機、時報、屋外で激しく降り出したにわか雨や、落雷、玄関の呼び鈴、車のクラクション、電話の着信などなど、日常生活で音が知らせてくれる情報は多岐に渡っています。

耳の聴こえない人にとって、音の情報がないことはそれだけ日常に危険が多いということになります。
SoundSenseは音にいち早く反応できるため、起こりうるトラブルの回避に期待が持てそうです。

 

しかし、世の中に役立つものを作っているにもかかわらず、なぜSoundSenseはクラウドファンディングの資金調達を成し遂げられなかったのでしょうか。

 

SoundSenseは、シンプルな機能にすることで価格も25ドル(日本円で2600円程度)と抑えることができていますが、欲を言えば値段を上げてでも、もう少し知的な処理を付け加えると良いのかもしれません。

「音が聴こえない」ことによる危険は、最近では聴覚障がいのある方だけに限りません。その一例が電気自動車です。従来のガソリン式の車に比べはるかに静かな走行が可能になりましたが、却って静か過ぎることが原因で、歩行者が背後からの車の接近に気づかず事故になることが問題視されています。

SoundSenseの場合、事故を防ぐことに焦点を当ててみると、音だけでなく、物理的な接近距離や光など、さまざまな危険要素に対応する必要があります。そういった意味では、音を拾う精度を上げてサイレンの音などには小さな音でも反応する、音源の方向をライトで表示する、手首に装着するなど、もう少し工夫の余地もありそうです。

 

とはいえ、何事も外野から言うことは簡単です。開発者本人たちには、ここに至るまでの苦労があったことでしょう。
同社は諦めずに2017年に再び困っている人を支援するような製品を提案するとウェブサイトで明言しています。

 

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