後世に大きな影響を与えた現代美術作品は数多く存在します。なかでも1917年に現代アートの父と称された芸術家のマルセル・デュシャンが発表した男子用小便器、『泉』は、もっとも称賛される現代アートのひとつです。既存のものをそのまま、もしくは少し手を加えたレディ・メイドと呼ばれる作品を数多く発表したデュシャンを彷彿させる個展が、ベルギーのクノックの海岸沿いの街に位置するギャラリーで展開されています。

 

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Studio Job直筆のバナナ型ランプスケッチ

「The banana show」と称された個展を手がけるのはベルギー生まれのヨブ・スミーツ氏と、オランダ生まれのニンケ・テュナゲル氏の2人のクリエイターが2000年に設立したStudio Jobです。そのタイトル通り、人間を含む生き物全てが親しみのある果物でもあるバナナをランプに見立てた作品を展開しています。

 

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バナナの皮をむいた時の湾曲する皮の様子が緻密に再現され、よりリアルに見えるように設計されています。テーブルなどに直接置く独立型タイプ、そして壁面に取り付けるタイプの2種類、計7つの異なるバナナ型ランプが展示されています。湾曲する皮の様子はランプごとに異なり、愛らしさの中にもどこか懐かしさが漂います。皮の部分にはハンドペイントで仕上げられたブロンズと、身の部分にはエッチングされた吹きガラスが使用され、ガラス内部にLEDライトが設置されています。
ひとつの作品として人の心にあかりを灯し、人が暮らす部屋にもあかりを灯す。そんなコンセプトを持つ照明が今後のアートの在り方に大きな影響を与えてくれるのではないでしょうか。アートとして、照明として、見る人によって捉え方が異なるバナナ型ランプは、「みるひとが芸術をつくる」というマルセルの考えを継承している作品のひとつと言えるでしょう。
「The banana show」
場所  Samuel Vanhoegaerden Gallery
住所  Zeedijk 720, 8300 Knokke, Belgium
日時  9月27日まで開催
##関連リンク
Samuel Vanhoegaerden Gallery
http://www.svhgallery.be/nl
個展が開催されているギャラリーのホームページです。本展以外に開催している個展の情報などが掲載されています
Studio Job
http://www.studiojob.be
Studio Jobの公式ホームページです。今後開催を予定している個展スケジュールが掲載されています
実際に運行された「ねぶた」を使ったインテリア照明「KAKERA」に新作登場 – 考えるあかり
https://media.style.co.jp//2015/08/1517/
「ねぶた」をコンセプトにしたインテリアや生活雑貨を開発しているアートプロジェクト「NEBUTA STYLE」のインテリア照明シリーズ「KAKERA」の新作を紹介しています
文:細川依里