眠れないオフィスワーカーを、太陽光を模した照明が救ってくれそうです。

 

人は眠りから目覚める前に「コルチゾール」というホルモンが分泌されることで、代謝を活発化させ、身体を緊張状態へと変化させています。朝、気分がシャキっとして、仕事の能率が上がるのはこのため。コルチゾールは起床前に生産量のピークを迎え、その後時間の経過とともに減少していきます。

 

一方で夜間に上昇するホルモンが「メラトニン」。太陽の光を浴びてから14〜16時間後に分泌が始まり、睡眠を誘発します。この2種のホルモンが正常に分泌されることで、人は自然に目覚めたり眠ったりすることができると言われています。

 

現在、日本では不眠症に悩む人口が増加傾向にあり、5人に1人が睡眠に問題を抱えています。太陽光が体内時計の調整に大きな役割を果たすため、朝は地下鉄で通勤し、ほとんど外出することなくオフィスで働く人や、夜遅くまで煌々と明かりが照りつける空間で熱心に仕事に取り組む人など、太陽の光を十分に浴びない生活をしていると、不眠の傾向は強くなると言われます。

 

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ドイツのバルトマン社は「ヒューマンセントリック(人間主体)」の照明を考案。色温度や照度を調整することによって太陽光に近い光を1日をかけてシミュレートし、人がより自然な状態で生活できる照明「ラヴィゴ(LAVIGO)」を開発しました。例えば、午前中には朝の日光のような力強く青白い照明でコルチゾールの活動をサポート。コルチゾールの生産量が減少する午後には時間の経過とともにゆっくりと照度が低減するので、時間に合わせて1日中自然な光の中で過ごすことができます。

 

1日を通して太陽光を浴びることで夜間のメラトニンレベルが高く保たれ、よく眠れると言われます。質の高い睡眠に導くことで、「ラヴィゴ」はオフィスで働く人のコンディションをより健康的な状態に整える補助をしてくれるのです。

 

シンプルなデザインがどんなオフィスにもマッチすることから、すでに海外では「ラヴィゴ」を採用する企業が増えてきているそうです。日本でも、不眠に悩むビジネスパーソンの救世主となるのでしょうか。

 

##関連リンク

 

ラヴィゴ(LAVIGO)

http://www.capind.co.jp/product/waldmann_lavigo.php

人の生体リズムに寄り添うLED照明・ラヴィゴの日本語紹介ページ。オンライン購入も可能

 

バルトマン(Waldman)社

http://www.waldmann.com/

ラヴィゴを開発したドイツ南西部にある照明機器メーカー・バルドマン社のWebサイト

 

美しく健康になりたければ、まずは光を制しなさい – 考えるあかり

http://media.style.co.jp//2015/07/179/

睡眠コンサルタント・友野なおさんが睡眠の質と光、そして健康・美容の関係を解説
 
文:大川祥子