ミュンヘン工科大学(TUM)(ドイツ)で開発されているHMD(ヘッド・マウント・ディスプレー)は、近い将来、視界が悪い状況でも早い段階での危険予知を可能とし、パイロットのパフォーマンス向上に寄与すると期待されているようです。
 

 
湖の上空に厚い雲がかかり、視界は数百メートルなどという、普段なら離陸許可も下りないような状況であっても現場へ迎えるようにすることが研究の目的。肉眼では見えない山の稜線や建物の輪郭が、ディスプレー上に緑の線で描画され、風力発電タービンや高いビル、クレーンなどは赤く表示されます。
 
ヘリコプターの高度、方向、傾き、加速度、緯度経度、外気の温度などなど、表示可能な情報は多いのですが、パイロットが安全に飛行するために「ちょうどいい」分量の情報を表示することが鍵になります。なぜなら、過度な情報提供は、肝心の操縦から注意を奪ってしまうからです。
 
未だ研究段階のため、眼下の形式は映像に過ぎないし、シミュレーターでコックピットに座っているのはパイロットではなく開発エンジニアだそうです。
しかし、猛吹雪で操縦そのものが危ない場合は別としても、視界不良の場合のオペレーションが可能になれば、救難作業の改善に大きな貢献となるものと期待されています。
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