サイバースラッキング(cyberslacking)とは、従業員が仕事中に、私用でインターネットにアクセスして、ウェブサイトを見たり、私用メールを送受信することです。
 
経営者からすれば、生産性は下がるし、ウイルス感染のリスクは高まるし、電気代や通信費も負担していることになるから我慢ならない行為であり、どこの国でも対策に頭を痛めているようです。
 
どこのウェブサイトも、なるべく長い時間、訪問者がとどまるように工夫を凝らしているのだし、メールを使ったさまざまな攻撃は下火になることがありません。

 

そんな中、カナダのウォータールー大学で、サイバースラッキングを減らすための研究が行われています。
 

その内容は立って仕事をするスタンディングデスクを使い、足にデバイスを取り付けて、タップやカーソルの移動、クリックを足の動きでやらせるというもの。名付けて「タップ・キック・クリック」(Tap-Kick-Click)。
 
マウス代わりに両足を動かすので、立ち仕事が楽しくなり、運動にもなるという狙いがあるようです。キックしたり、ジャンプしたりさせられるというもの。
 

 

深度カメラを併用して姿勢もチェックします。
 
すでに、Facebookなど、サイバースラッキングと見なされるサイトへのアクセスをブロックするプログラムなどが販売されています。会社のネットからそうしたサイトへはまったくアクセスできないように設定している企業も多いようです。

 

「タップ・キック・クリック」では、”好ましくない”サイトにアクセスすると、使用者に片足を高く上げ続けるとか、中腰になるなど、無理な姿勢を強いるようになっているみたいです。
まったくアクセスできないのではなく、苦しい姿勢を続ければアクセスできるということです。姿勢を戻すと画面がフリーズしてしまうんだとか。
足の動きを入力に使う試みは、これまでにもあったようですが、入力効率という点ではうまく行かなかったようです。

 

スタンディングデスクでの立ち仕事に、楽しみと運動の要素を加えるというのは、デスクワーカーの抱える”運動不足”というもう1つの問題を逆手に取った新たなアプローチなのだと思われます。無理な姿勢を続ければアクセスできるということは、周囲の同僚に何をしているか知れてしまうことにもなるので、周囲の目をうまく使用した注意喚起の方法になっています。

 

スマートフォンも普及し、インターネットとの距離がより一層身近になっている今日、社内でのサイバースラッキングをどこまで防止できるかどうかというのは多くの企業が抱える課題です。しかし問題に対して単なる注意喚起や取り締まりをするのではなく、こうしたユニークなアイデアでポジティブに社内改善が進むと良いですね。

 

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