「考えるメディア」では、谷崎潤一郎の代表作のひとつであり日本特有の感性のあり方を著した『陰翳礼讃』を、写真家・阿部萌子さんが本作から着想を得て撮影した写真とともに、お届けします。
第4回は「小説家の空想」。
「考えるあかり」では、谷崎潤一郎の代表作のひとつであり日本特有の感性のあり方を著した『陰翳礼讃』を、写真家・阿部萌子さんが本作から着想を得て撮影した写真とともに、お届けします。
第3回「行燈式の電燈 」で取り上げるのは、紙と筆記具。
眠りとは何なのでしょうか? 意識が遮断されているあいだの時間の流れとも言えますし、そうでないとも言えます。アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の新作『光りの墓』では、「原因不明の“眠り病”」に罹った兵士たちが登場し、眠りを通してストーリーが展開します。闇と一体のものとして認識されることの多い眠りはここでは、ひかりとして表現されます。眠っている彼らは、あるいはひかりとなった彼らは、どこでどんな活動をしているのでしょうか。
開通前の海底トンネルを利用して、1日限りのヨガレイブイベントが開催されます。
会場となるのは、3月下旬に開通予定の国道357号線東京港トンネル。臨海副都心(お台場)と大井を結ぶ全長1.5キロメートルの海底道路です。海底から7メートルの深さに掘られたトンネル内部は、外の明かりや音からほとんど遮断された異空間。足音など、内部にいる人たちが発する音しか聞こえないような場所です。
映画のなかで様々な意味をまとうひかり。宇宙人やその乗り物をひかりのかたまりとして表現した『未知との遭遇』では、ひかりは人類をはるかに超えた高度な知性として描かれ、それは希望をイメージさせるものでした。遭難したタンカーを救い出す実話をもとにした、同じくディズニーの新作『ザ・ブリザード』から、映画はひかりに何を託したのかを考えます。
シャープな丸い筒状のボディに翼のような2枚のLEDパネルがについた「シーガル・ライト」は、まるで部屋の中に鳥がとまっているかに見えるフォルムを持ったデスクライトです。先端部分をひねると鳥がはばたくようにパネルの位置を変えることがで、細いバーの先にある本体は今にも飛び立ちそうにも見えます。
市民や企業、そして行政が一体となって河川敷などの「水辺」の活用方法を探っている「ミズベリング・プロジェクト」では、ディスカッションやフィールドワーク、体験型のイベントなどを通して、水辺の魅力を発掘し、活性化のための活動を行っています。2月24日には橋脚を映像インスタレーションで照らす実験を行い、都心の水辺を人々が楽しめる場所に変えられるのか検証します。
一分あたりのTwitterへの投稿数は全世界で35万件以上にものぼり、データを可視化してマーケティングやビジネスに役立てようという動きが国内外ではじまっています。そんな一方で、データをもっと新しいことに使えないかという、ユニークなプロジェクトも登場しています。
「もしも建物が話せたら、私たちにどのような言葉を語り掛けるのだろうか」をテーマに、ヴィム・ヴェンダースら6人の監督が、それぞれ思い入れのある建築物を選び、その文化的な背景や意義を描くオムニバス・ドキュメンタリー。建築物自身が擬人化され、一人称として言葉を発し、内部に集まる人々や構造について独り語りをはじめます。
3年ほど前から人気を集めている「メモリアルヌード」。当初は妊娠などによる一時期にしか訪れない身体の変化を記憶しておくものとして認知されていましたが、現在はそうでない女性の利用も増えてきているそうです。
2015年は没後50周年、2016年は生誕130周年となる谷崎潤一郎。その希有で独特な感性は、文章を読んだ時に我々の五感を鋭く目覚めさせる力を持っているようです。
音の印象というのは、聴いている空間の照明の明るさや色、質とも密接に関係しているのかもしれません。ソニーが展開する新しい製品シリーズ「Life Space UX」から登場した『グラスサウンドスピーカー』は、ランタンスタイルの照明に360度スピーカーを組み合わせた、これまでにありそうでなかった新しいタイプのガジェット。
まるで紙のように薄く、切ったり折ったり、自由自在に加工できる発光シートを開発したタツモ株式会社が、ブリザードフラワーのブランド「Dear BOUQUET」とコラボしたギフト・ボックスが話題になっています。
リーマンショックの元凶となったアメリカのサブプライムローン危機。低所得者向けのの住宅ローンが引き起こしたのは、世界の経済危機だけでなく「住む」ことへの問題意識の目覚めでした。家は自分の歴史や記憶と同じなのだろうか?ただの箱でしかないのでしょうか? 『ドリームホーム 99%を操る男たち』が描くのは、サブプライムで職も住居も失った若者が、アメリカンドリーム(強いものが勝ち残る)の光と影をさまよう物語です。
日本でも多くのファンに愛されるクリスタル・メーカーのスワロフスキーが、まばゆい太陽の光が降り注ぐ街マイアミをステージに、様々なアート作品を紹介する「Design Miami」で数々の注目作品を発表してきたのをご存知でしょうか。
光と音楽がコラボレーションするアート作品は多々ありますが、Cinzia Campoleseが発表した「CONTINUUM」は、これまで彼らが発表してきた光を使ったアートやプロジェクションマッピングといった作品とは異なる不思議な雰囲気を持つメディアアートだと言えます。
ダンスというパフォーマンスアート。専門家の特権領域だと思ってはいないでしょうか? 「身体表現」といった言葉のもつかたい印象が、もしかすると興味を抱く人の門戸を狭めているのかもしれません。しかし、そんなダンスパフォーマンスを広く、さらに可能性を高める形で私たちに提示してくれるダンスカンパニーもあります。それが「DAZZLE」です。
他媒体さんとの連携企画、年始のお題は「各メディアの編集長が『今読むべき本』を3冊紹介する」ーー2016年を迎えた今、ひかりとあかりの視線から選んだのは、谷崎、タケミツ、そしてリゲティの3人です。
人間があかりを手にする前には存在しなかった景色、「夜景」。映画は、その存在しなかった風景をわれわれの目の前に出現させてくれる技術でもあります。完全に人工的な景色である夜景にこだわった写真家が、グレゴリー・クルードソンです。そして、彼のイメージを映画に置き換えたといえる作品が、トッド・フィールド監督『リトル・チルドレン』です。
連載1回目では、安室奈美恵さんの「Golden Touch」のMVで使われている「視覚が生み出す触感」の仕組みについて取り上げました。本稿では前回に引き続き、MVを制作したクリエイティブ・ラボPARTYのクリエイティブディレクター/共同創設者 川村真司さんにお話を伺い、触覚とクリエイティブの未来を展望しました。
ポール・オースターの「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」の一節です。この小説は形を変え映画となったため、『スモーク』というタイトルで記憶しているひとも多いかもしれません。ブルックリンを舞台に、虚実が交錯しながらも「与えることと受け取ること」の意味を描き出す、オースターらしい後味を残す佳作です。
そう遠くない未来、21世紀を代表するアートは光を使って空間に描かれた3D彫刻と言われるようになるかもしれません。モバイル広告に関連する技術を開発しているAdtile Technologies社を設立したエンジニアのNils Forsblom氏は、スマートフォンの背面にあるライトを使って、空間に3Dアートを描けるアプリ「Air Pencil」を開発しました。