NASAのジェット推進研究所で、人工知能(AI)を使った消防士支援システムが開発されています。AIが現場の状況把握と判断を行うことで、消防士の危険を未然に回避することができるというもの。レスキュー現場の常識も、今後かなり変わって行くかもしれません。
みなさんは退屈なものを見ている時に、無意識に身体が動いていることをご存知でしょうか?イギリスのあるメディカルスクールでは、ユーザーが退屈しているかどうかをコンピューターに判断させることで、より精度の高いユーザーデータを抽出するための研究が行われています。
近年のデジタル技術の台頭により、読書方法を電子書籍に移行する人も増えてきました。
紙媒体は消えゆく運命なのでしょうか。それとも、電子媒体と共存し続けることができるのでしょうか。
救難活動に向かうヘリコプターは、霧や突風、暴風雨など、過酷な条件下での飛行を余儀なくされる場合があります。天候が悪い場合にも救命活動を行うために、拡張現実を利用する研究が、はじまっています。
モノクロ写真への着色が、深層学習(ディープラーニング)アルゴリズムによって可能になっています。私の写真で試してみたら、骨格からモンゴロイドだと判定しているのか、肌が黄色っぽく彩色されました。
素掘りトンネルは各地にありますが、房総と越後には、とても珍しい素掘りトンネルがたくさんあります。人と水が掘ったそのトンネルたちは、ふつうの素掘りトンネルよりずっと豊かな闇と光と音がある、隠れた名所です。
「考えるあかり」では、谷崎潤一郎の代表作のひとつであり日本特有の感性のあり方を著した『陰翳礼讃』を、写真家・阿部萌子さんが本作から着想を得て撮影した写真とともに、お届けします。
第2回で取り上げるのは「厠」です。
眠りとは何なのでしょうか? 意識が遮断されているあいだの時間の流れとも言えますし、そうでないとも言えます。アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の新作『光りの墓』では、「原因不明の“眠り病”」に罹った兵士たちが登場し、眠りを通してストーリーが展開します。闇と一体のものとして認識されることの多い眠りはここでは、ひかりとして表現されます。眠っている彼らは、あるいはひかりとなった彼らは、どこでどんな活動をしているのでしょうか。
2015年のノーベル物理学賞は、「ニュートリノに質量を示したニュートリノ振動」を発見した功績によって、東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章博士とカナダ・クィーンズ大学名誉教授のアーサー・マクドナルド博士の2人に贈られました。ニュートリノは、この宇宙をつくっている基本的な粒子である素粒子の仲間ですが、いったいどのような粒子なのでしょうか。
生物学者フォン・ユクスキュルは眼のないマダニの「見ている」世界を「環世界」と呼びました。ダニ(学名・分類群名:Acari [アカリ])の研究から、眼のある私たちに「見えない」生活について考えます。
ホコリを払うような動きをしながら「Wi-Fi飛んでるやん」とボケるお笑いネタが定番になるほど、今やすっかり身近になっているWi-Fiですが、そう遠くないうちに見えるWi-Fiが登場するかもしれません。
人間があかりを手にする前には存在しなかった景色、「夜景」。映画は、その存在しなかった風景をわれわれの目の前に出現させてくれる技術でもあります。完全に人工的な景色である夜景にこだわった写真家が、グレゴリー・クルードソンです。そして、彼のイメージを映画に置き換えたといえる作品が、トッド・フィールド監督『リトル・チルドレン』です。
私たちは、たとえ意識はしなくとも、たくさんの目に見えない生き物に囲まれて生きています。しかし目に見えないいきものたちは、えてして人間に、嫌われがちなもの。嫌われ者のダニはそのひとつ。ダニを研究するダニ学者が、「見えないいきもの」の恐怖について考えます。
目の見えない人はどんな夢を見ているだろう? 誰もが気になる疑問かもしれません。私たちは、夢を「見る」と言います。この言い方が正しいならば、彼らは夢を「見ない」のか? はたまた視覚以外の感覚で夢を見るのか?——ところが実際に話を聞いてみると、見える人の夢と見えない人の夢の違いは、意外なところにあることが分かってきました。
9月の十五夜(中秋の名月)に続いて、10月25日は十三夜(いわば、晩秋の名月)。でも江戸では、満月に近い月ばかりが人気だったわけではなく、新月に近い二十六夜の月も大人気でした。今、二十六夜の月が一番似合うのは、沖縄かもしれません。
外界とのインターフェイスである皮膚は、自己と他者との区別、つまり自己意識をうみだす重要な役割を担っています。そして皮膚感覚が脳に伝えた情報によって、心理や意識は様々な影響を受けることになります。皮膚感覚は人間のこころにどんな作用をもたらすのでしょうか?
「百聞は一見に如かず」という言葉があるように、私たちの「ものがそこにある」という実感は、視覚に多くを頼っています。それでは、目の見えない人の「そこにある」実感はどうなっているのでしょうか。リアルとバーチャルの境、そして私たちの「実在感」の未来とは――。目が見えた頃の記憶のまったくない全盲の人との食事から考えます。
月と星の明かりのみが唯一夜を照らすものだった平安時代の人々にとって、その色彩はどのようなものであったでしょうか。現代に生きる私たちが平安時代の世界を追体験するイベントが、浅草の緑泉寺で行われました。
秋のお彼岸の頃に、鮮やかに田園風景を彩る彼岸花。彼岸花が田んぼの畔や墓地に生えているのには、れっきとした理由があるってご存知ですか? 彼岸花と人々の暮らしには密接な関係があるのです。
音の陰翳とは何でしょう? ピアニスト・林正樹は一音一音の深さにおいて、今最も音の陰翳を表せるアーティストの一人です。ニューアルバム『Pendulum』(ペンデュラム)では、彼のピアノが静謐で美しい情景を描きます。演奏の数々はノスタルジックでありながら、一枚の写真のように消えてなくならない輪郭をもっています。
目の見える人は日々、当たり前に感じている「色」。しかし、目の見えない人々の色の理解を聞いてみると、見えている私たちの色の感じ方も、ひとつではないことがわかってきます。
人間と同じく、愛犬の健康状態をチェックしてくれるウェアラブルは以前からありますが、現在、クラウドファウンディングのキックスターターで資金調達中の首輪型ウェアラブルの「Buddy」は、様々なデータの計測に加えて、七色に調光できるLEDライトで愛犬の健康状態や居場所をまでお知らせしてくれる機能を備えています。