この12月に東京・赤坂にできた「ホテルリズベリオ赤坂」は、時代の気分を最高のレベルで表現した“東京スタイル”の傑作といえるでしょう。その特長のひとつは、アートとともに過ごす部屋。「覚醒する」をテーマにした、一部屋ごとに異なるオリジナルのアートは秀逸です。
2011年の東日本大震災で地震・津波・放射線・火災の四重の困難に見舞われた、福島県いわき市久之浜町。津波の被害を受けた沿岸部では多くの家屋が取り壊され、他の地域でも街の様相は大きく変わりました。困難に直面する被災地で、あかりに何ができるのでしょうか。東京都市大学建築学科小林研究室の活動を紹介します。
前回の記事では、安室奈美恵さんの「Golden Touch」のMVで使われている「視覚が生み出す触感」の仕組みについて取り上げました。本稿では、このMVを制作したクリエイティブ・ラボPARTYのクリエイティブディレクター/共同創設者 川村真司さんにお話を伺い、触覚とクリエイティブの未来を展望しました。
植田正治はいままた“ブーム”といえる人気を得ているようです。発売になったばかりの『shōji ueda』では、初掲載となるモノクロ作品を中心に、晩年に取り組んだカラーの静物作品が巧みなブックデザインにより織り交ぜられた、これまでの植田正治作品集にはないアプローチが施されています。
気温が安定し、一般的に1年の中で最も眠りやすいシーズンともいわれる秋。しかし、睡眠に優しい時季であるはずの10月頃から春にかけて発症する季節限定の感情障害に苦しみ、睡眠障害に陥ってしまっている人も少なくありません。
私たちは、たとえ意識はしなくとも、たくさんの目に見えない生き物に囲まれて生きています。しかし目に見えないいきものたちは、えてして人間に、嫌われがちなもの。嫌われ者のダニはそのひとつ。ダニを研究するダニ学者が、「見えないいきもの」の恐怖について考えます。
古今東西、人間は星空を見上げて生活のリズムを整え、またその星々の世界に到達せんと願い、技術を磨き、その光にロマンを見出してきました。梶田隆章教授のノーベル物理学賞受賞をきっかけに、寒くなった夜空に思いを馳せて、今回もオススメの本をご紹介します。
このところ、様々な場面で香りにまつわる話題が増えてきています。人間が香りを感じる能力=臭覚は視覚以上に繊細だといわれていますが、そのちからをうまく取り入れることができれば、ブランディングの可能性は大きく広がっていきます。
平等院ではこのほど、国宝である鳳凰堂壁扉画や、梵鐘*1、雲中供養菩薩像などを収蔵する平等院ミュージアムの照明にもLEDを導入。文化財を照らすあかりを一新しました。
クリスマスが近づくと、徐々に点灯し始める街を彩るたくさんの小さなあかりたち。イルミネーションは「照らす」のではなく「自らの光り方を見せる」特別なあかりでもあります。この季節だからこそ楽しめるあかりと親しくなるヒントを見つけに行きましょう。
光を使ったアート作品やメディアートはいろいろありますが、エルサレムの建築家が考えたアート作品はこれまでとは少し違った印象を持っています。まず、光がむき出しになっていないこと。そして、昼の間も作品として楽しめるようになっていることです。
落葉が始まり少し寂しくなったストウの庭。落ち葉拾いも結構な仕事ですが、来客も少なく樹木伐採に適したこのシーズンは、夏の除草から、新たな秋の作業へと移り、いよいよ庭の修復復元事業が始まります。
五感全体で理解できるスペースやコミュニケーションがあれば、きっとお気に入りのものはライフスタイルへとつながっていくでしょう。南青山のヴィンテージ・マンションの上階層にできた「HEIGHTS」は、そんな思いをかなえてくれる稀有な空間です。
『ラストタンゴ・イン・パリ』や『ラストエンペラー』で有名なベルナルド・ベルトルッチ監督の1970年の作品『暗殺の森』。そのデジタル・リマスター版が10月末にリバイバル公開され、新たな観客が続々と劇場に足を運んでいます。画面で展開される強烈な美しさは、ひかりと影の運動としてわれわれを虜にします。しかし、それは美しさをまとった魔力と呼ぶべきものでした。
宝飾品やブランド品など、高価な商品にも財布の紐が緩む時、そこにはどのようなあかりがあるでしょうか。高級さ、特別さの価値を伝えようとする時の照明、そしてラグジュアリーとあかりの関係について、考えてみます。
世界中の大学や医療機関で、がんの治療法や治療薬の開発が進められていますが、残念ながらまだ十分な状況だとは言えません。がんに対する関心も日本は死亡原因の一位というのもあって比較的高い方ですが、それでも十分に認知するには様々な広報活動が必要とされています。
目の見えない人はどんな夢を見ているだろう? 誰もが気になる疑問かもしれません。私たちは、夢を「見る」と言います。この言い方が正しいならば、彼らは夢を「見ない」のか? はたまた視覚以外の感覚で夢を見るのか?——ところが実際に話を聞いてみると、見える人の夢と見えない人の夢の違いは、意外なところにあることが分かってきました。
11月19日大阪「EXPOCITY」に感性を刺激する体験型ミュージアム「NIFREL(ニフレル)」がオープンします。
巨大水槽で環太平洋の海を再現し、水族館のイメージを劇的に変えた海遊館が運営する「NIFREL」。海生生物の展示を行う施設ですが、単に水族館とは呼べないような、数々の感性を刺激する仕掛けが組まれています。
「WONDER MOMENTS」を手がけたのは、2002年ごろから数多くのインタラクティブアート*2やインスタレーションを制作してきたアーティスト松尾高弘(Lucent Design Inc.代表)。松尾氏は光を主体としたアート、デザイン、エンジニアリングを行っており、繊細な光のインスタレーションが国内外で高い評価を得ています。
人間の脳は、実際に手で触れなくても、その見た目から材質や表面状態を予測することができます。その脳の仕組みをうまく活用すると、映像からさまざまな「触感」をつくりだすことができます。
過密化が進む大都市で、市民の憩いの場となる緑地や公園をどうやって確保するかは、世界共通の悩みとなっていますが、ニューヨークでは太陽光を使って地下に公園を作るという斬新なアイデアで、この問題を解決しようとしています。
手紙からメール、SNSへ。だれもがパソコン、スマホを操る現代にあって、私たちは昔以上に、日々たくさんの文字を他人から受け取り、送っているとも言われます。しかし、あなたが誰かに向けて書いた言葉、文章は、本当に人の心に届いているでしょうか。言葉はどうやって紡げばよいのか、考えてみます。
日に日に秋が深まり、とうとう暦の上では冬となる「立冬」がやってきました。本格的な冬に入る前に、私たちの目を楽しませてくれる菊について、今回はお話しします。